車の調子を維持するうえで欠かせないメンテナンス。
でも、「整備って難しそう」「自分でできるの?」と思っていませんか?
本記事では、初心者でも挑戦しやすい簡単なチェック項目から、上級者向けの本格DIY整備まで、レベル別にわかりやすく解説します。
車のメンテナンスを自分でやるメリットとは?

最近では、YouTubeやSNSを通じて車のDIYメンテナンスに挑戦する人が増えています。
「車は整備工場に任せるもの」と思われがちですが、実は初心者でもできる作業が多く、自分で点検・整備することには多くのメリットがあります。
費用を抑えられる・緊急時に対応できる安心感
自分でメンテナンスを行う最大の魅力は、何と言ってもコストの削減です。
例えばエンジンオイルの交換をディーラーや整備工場に依頼すると、工賃が数千円〜1万円ほどかかることがありますが、
自分でやれば材料費だけで済み、半額以下に抑えられることも少なくありません。
また、DIYメンテナンスを通して自分の車の構造や状態を把握しておくと、急なトラブルが起きたときにも冷静に対応できます。
バッテリーが上がったときの対処法や、タイヤの異常への気づきなど、いざという時の判断力を養えるのも大きな利点です。
愛車への理解が深まる&トラブルの予防にも効果的
自分の手でボンネットを開け、パーツを確認し、工具を使って作業することで、「車ってこういう仕組みなんだ」という気づきが増えていきます。
メーカーやモデルごとに構造や部品の位置が違うため、定期的な整備を続けるうちに自然と愛車の特徴に詳しくなっていきます。
これは、ちょっとした異音や振動の変化にいち早く気づく力にもつながり、結果として故障の予防や早期発見に大きく役立つのです。
車のメンテナンスを自分でやるべき基本作業【初心者向け】
「車の整備は難しそう」と感じる方でも、実は最初の一歩として取り組みやすい基本作業がいくつもあります。
特別な工具を使わなくてもできるものも多く、これらを覚えるだけでも車の安全性や快適性がぐんと向上します。
エンジンオイルのチェック・交換
エンジンオイルは、車の血液ともいえる大切な存在です。
オイルが劣化すると、エンジン内部の摩擦や汚れが蓄積し、燃費や加速性能に影響が出てしまいます。
まずはボンネットを開けて「オイルゲージ」を引き抜き、色や量を確認することから始めましょう。
オイルが黒く濁っていたり、量が規定範囲より少なければ交換のタイミングです。
自分で交換する場合は、適合オイルの選定・ドレンボルトの取り外し・廃油の処理など基本を覚えておく必要がありますが、慣れてくると30〜40分ほどで済む作業です。
ウォッシャー液の補充・ワイパーゴムの交換
雨天時や汚れが付着したときに重要な視界確保。
ウォッシャー液はキャップ付きのタンクから簡単に補充可能で、ほとんどの車で工具不要です。
ホームセンターやカー用品店で購入できる専用液を使用すれば、虫の汚れにも強く、冬場の凍結対策にもなります。
また、ワイパーゴムは年に1回は交換が目安とされています。
劣化するとスジが残ったり、ビビリ音が出るため、「最近ふき取りが悪いな」と感じたら要チェック。
ワイパーアームから引き抜いて、新しいゴムに差し替えるだけのシンプルな作業です。
タイヤの空気圧チェックとローテーション
空気圧が適正でないと、燃費の悪化・偏摩耗・走行安定性の低下などさまざまな問題を招きます。
ガソリンスタンドに設置されているエアゲージを使えば、手軽に空気圧をチェック&補充できます。
車両のドア内側に貼られたラベルにはメーカー推奨の空気圧が記載されているので、参考にしましょう。
また、前後タイヤの摩耗を均一に保つために、ローテーション(位置交換)も定期的に行うと◎。
目安は5000〜8000kmごとで、ジャッキアップやトルクレンチがあれば自分でも可能です。
バッテリーの状態確認・ターミナル清掃
エンジンがかからない原因で多いのが「バッテリー上がり」。
その前兆はセルモーターの回りが弱くなったり、ライトが暗くなるといった変化で現れます。
市販の「バッテリーチェッカー」や電圧計があれば、電圧の状態を簡単に確認できます。
また、バッテリーの端子(ターミナル)部分が白く粉を吹いている場合はサビや腐食が進行しているサイン。
専用ブラシや研磨パッドで磨いておくことで、電気の流れがスムーズになり、始動性や充電効率もアップします。
【完全ガイド】車整備DIYはどこまでできる?初心者から上級者向けのメンテナンス範囲と場所選びこちらも確認!
車の整備DIYどこまでできる?上級者向けメンテナンスとは
車のDIY整備に慣れてきたら、少し難易度の高いメンテナンスにも挑戦してみたくなるかもしれません。
ここでは、ある程度の知識と工具が必要となる上級者向けの整備内容を取り上げます。
「自分でどこまでやるか」と「どこからプロに任せるか」の判断も重要です。
ブレーキパッド交換・冷却水の交換
ブレーキパッドは走行距離や乗り方によって摩耗が進む部品で、定期的な交換が必要です。
DIYで交換するには、ジャッキアップ、タイヤの取り外し、キャリパーの分解・組み立てが必要となり、ある程度の整備経験が求められます。
とはいえ、ブレーキの効きに直結する重要パーツなので、不安がある場合はプロに依頼するのが安全です。
一方、冷却水(クーラント)はエンジンを適正温度に保つための液体で、2〜3年ごとに交換が推奨されています。
古くなると錆や腐食を招き、ラジエーターやエンジンに負担がかかります。
DIYで行うにはドレンコックを開けての抜き取り・注入・エア抜き作業が必要で、やや手間がかかりますが、確実に効果が実感できるメンテナンスの一つです。
ランプ類の交換(ヘッドライト・ブレーキランプ)
ライト類の球切れも、安全運転に直結する整備ポイントです。
特にヘッドライトやブレーキランプは、日常的な点検と早めの交換が重要になります。
交換自体は、車種によって手間の差があるものの、基本的には電球をソケットから外して差し替える作業です。
LEDバルブへの交換も人気ですが、発熱や光量の問題で車検に通らないケースもあるため、対応車種や規格を確認しておくことが大切です。
チェックなどもしてみよう!【初心者向け】車のライト点検のやり方を徹底解説!バックランプ・後退灯まで順番付きでわかる!
ファンベルトやフィルター類の点検・交換
エンジン周辺の消耗品のひとつがファンベルトや各種フィルター(エア・オイル・エアコンなど)です。
ベルト類は劣化やヒビ割れ、たるみが見られたら交換のサイン。
DIYで交換するにはテンショナーの調整や滑車の脱着が必要となるため、工具の扱いに自信のある方におすすめです。
フィルター類は比較的作業が簡単で、カバーを開けて差し替えるだけのものが多いため、DIY初心者でも挑戦しやすい部分です。
エアフィルターをきれいに保つことで、燃費や加速性能の改善にもつながります。
DIYの限界とプロに任せるべき整備の境界線
DIY整備の魅力は多いものの、限界を見極めることも非常に大切です。
例えば、ブレーキオイルの交換や足回りの分解作業、車両の電装系トラブルの修理などは、知識とリスクが大きく、専用機器や設備も必要になるため、専門店での対応が安心です。
また、整備に関する法律や保険の適用範囲も確認しておくことが重要です。
自分で行った整備が原因で事故や故障が発生した場合、補償を受けられない可能性もあります。
安全と安心のために、無理をせず、プロとの連携を意識しましょう。
車のメンテナンス一覧|定期的にやるべきチェック項目まとめ
車を長く、安全に乗るためには、定期的な点検とメンテナンスが不可欠です。
ただ「何をいつやればいいのか」が曖昧だと、忘れがちになってしまいます。
ここでは、初心者にも分かりやすく、月・半年・年単位のスケジュールで整理したメンテナンスの目安をご紹介します。
月1回・半年・1年ごとの目安とスケジュール表
車のメンテナンスは、頻度ごとに分けて考えると非常に管理しやすくなります。
月に1回の点検
月に1回は、エンジンオイルの量、タイヤの空気圧、ウォッシャー液の残量、ライトの点灯状態を確認することが推奨されます。
これらは走行前やガソリンスタンドのついでに確認できるため、簡単なセルフチェックの習慣を作ることがポイントです。
半年に1回の点検
半年に一度の目安としては、ワイパーゴムの交換やバッテリーの劣化チェック、エアコンフィルターの交換などが挙げられます。
梅雨入りや冬の前にチェックしておくと、季節の変化に合わせた備えにもなります。
1年に1回の点検
1年ごとの整備としては、エンジンオイルの交換、冷却水の状態確認、ブレーキ周りの点検やエアフィルターの掃除・交換が目安です。
年末や車検のタイミングで見直すことで、大きなトラブルの予防に繋がります。
日常点検 vs 定期点検|違いを理解しよう
日常点検とは、ドライバー自身が普段から行う簡易チェックのこと。
例えば「タイヤに異物が刺さっていないか」「ライトが切れていないか」「フロントガラスにヒビがないか」などが含まれます。
こうした点検は、法的な義務はないものの、安全運転を守る上で非常に重要です。
一方の定期点検は、一定の期間や距離ごとに専門知識をもとに行う法定点検で、車検の際にも実施されます。
プロによるチェックでは、自分では気づきにくい劣化や不具合を発見できるメリットがあります。
つまり、日常点検は予防、定期点検は診断のような位置付けです。
両方を組み合わせていくことで、車の健康状態をしっかりと保つことができます。
車のメンテナンスを自分でやるときの場所と注意点
DIYでの車の整備やメンテナンスは、知識と道具さえあれば意外と多くの作業がこなせますが、実施する「場所」と「ルール」には十分な注意が必要です。
ここを軽視すると、思わぬトラブルや法的問題を招くこともあるため、事前にしっかり確認しておきましょう。
自宅駐車場・レンタルガレージ・DIY整備工場の選び方
まず前提として、自宅の駐車スペースで整備ができるかどうかを確認しましょう。
マンションや集合住宅の場合、共用部分での整備行為を禁止しているケースが多いため、管理規約を事前にチェックすることが必要です。
もし自宅で難しい場合は、レンタルガレージやDIY整備場(ピット付きの整備スペース)の利用を検討しましょう。
こうした施設は、工具の貸し出しや廃油回収などのサービスが揃っていることが多く、初心者にもやさしい環境が整っています。
最近では、ネットで検索すれば「〇〇市 レンタルガレージ」といったキーワードで多数ヒットしますし、事前予約できる施設も増えています。
自分の技術レベルや行いたい整備内容に合わせて、作業に適した場所を確保することがDIYの第一歩です。
道路交通法や地域条例に注意しよう
公道や路上での整備行為は、ほとんどの地域で法律違反や迷惑行為に該当します。
たとえ一時的であっても、オイル交換やバッテリー交換などの作業を路上で行うことは原則NGとされています。
また、廃油や廃バッテリーなどの処分方法も地域の条例で厳しく制限されていることがあり、不適切な処理をすると罰則が課される可能性もあります。
これを防ぐためには、専用回収サービスを利用するか、最初から対応施設(レンタルガレージやカー用品店)で整備を行うのが安全策です。
「できるけど、やってはいけない場所・方法」もあるという意識を持つことが、DIY整備の基本マナーです。
点検・整備を習慣に!自分で車を守る力を育てよう
日々のカーライフを安全・快適に過ごすためには、車のメンテナンスを「誰か任せ」にせず、自分で把握・管理できることが大切です。
整備工場やディーラーに頼るだけではなく、自分の手で日常的に点検することで、愛車の状態をより深く理解できるようになります。
また、整備の知識と経験は、「いざというとき」にこそ力を発揮します。
バッテリー上がりやライト切れなど、出先でのトラブルにも落ち着いて対応できるようになるだけでなく、定期的なチェックによって大きな故障を未然に防ぐことにもつながります。
月に1回のセルフ点検があなたと愛車を守る
プロの整備士に頼るのはもちろん大切ですが、自分でできる部分を月に1回でも点検することは、車との信頼関係を築くうえで非常に有効です。
「エンジン音はいつもと同じか」「オイルの色が変わっていないか」「タイヤの空気圧に異常はないか」―こうした確認を短時間でも定期的に行うだけで、トラブルの兆候を早期に発見することが可能です。
点検記録を残す習慣で、いざという時にも安心
さらに、セルフ点検の結果をメモやスマホに残しておくことで、万が一の故障や不調があった際にも整備士にスムーズに情報を伝えることができます。
「いつ・どの部品を交換したか」「前回と比べてどう変わったか」などの記録は、車を売却する際にも信頼材料として活用できることもあります。
メンテナンスは愛車とのコミュニケーション
車のメンテナンスは、機械的な作業に見えるかもしれませんが、実は「愛車と向き合う時間」そのものです。
点検を重ねるうちに、「少し音が違うかも?」「前より加速が滑らかになった?」といった微細な変化にも気づけるようになります。
その結果、より安全に・より長く・より快適に車と付き合っていけるようになります。
自分で車を守る力を少しずつ育てていくことが、安全運転と豊かなカーライフの第一歩になるのです。
車のメンテナンスを自分でが気になる人のよくある質問
初心者の方にとって、自分で車をメンテナンスするというのはハードルが高く感じられるものです。
ここでは、多くの人が気になっている疑問に丁寧に答えていきます。
これからDIYを始めたいという方の不安や疑問を、ここで少しでも解消できれば幸いです。
Q. 車の整備で自分でできることは?
基本的な日常メンテナンスであれば、エンジンオイルのチェック・ウォッシャー液の補充・タイヤ空気圧の確認・ワイパーゴムの交換などは比較的簡単に行えます。
これらの作業は特別な資格も不要で、工具も最低限で済むため、初心者が最初に挑戦するには最適な作業です。
また、少し慣れてきたらバッテリーのチェックやヘッドライトの交換などにもチャレンジできます。
自信がついてきたら、ブレーキパッドの交換や冷却水の交換など、やや高度な整備にも段階的に進めることができます。
Q. 車のメンテナンスで何をすればいいですか?
メンテナンスの基本は、「見て・触れて・気づく」ことです。
エンジン音や振動の変化、タイヤの摩耗、オイルの色や量など、日常的なチェックを通して愛車の状態を把握することが第一歩となります。
とくにおすすめなのは、月1回のチェック項目をルーティン化することです。
オイル、空気圧、冷却水、バッテリー、ライト類など、「トラブルにつながりやすい部分」から優先的に見ていくことがポイントです。
Q. 初心者でもオイル交換はできる?失敗しないコツは?
可能です。
ただし、事前にしっかりと手順を理解し、必要な工具とスペースを確保することが大前提となります。
特に重要なのは「ドレンボルトの締め忘れ」や「廃油の処理ミス」など、小さなミスが大きなトラブルにつながることがある点です。
失敗しないコツは、動画などで予習してイメージをつかむこと、そして「焦らずに1つずつ確認しながら行う」ことです。
また、初回はDIY施設などでスタッフにアドバイスをもらいながら作業するのもおすすめです。
Q. 車のDIY整備はどこまでが法律的にOK?
日本では、保安基準を満たし、道路交通法に違反しない範囲であれば、自分で整備することは合法です。
ただし、ブレーキやサスペンションといった重要保安部品をいじる場合にはリスクも大きく、整備不良で事故を起こした場合の責任はすべて自己負担となります。
また、車検時に「整備記録がない」「整備内容に不備がある」といった指摘を受けることもあるため、難易度が高い整備についてはプロの整備士に任せるのが安全です。
Q. 自分で整備して壊れたらどうなる?保証は切れる?
メーカー保証や販売店の保証がある車の場合、自分で整備を行ったことが原因で故障した場合は、保証の対象外になる可能性が高いです。
特に電装系やエンジン周辺のパーツを交換・加工した場合、「改造」とみなされることもあり、一部の整備行為にはリスクが伴うことを理解しておきましょう。
保証を受けたい場合や、買ったばかりの車に手を加える場合は、事前に販売店に相談することが大切です。
まとめ|自分でできるメンテナンスから始めて、安心のカーライフを
車のメンテナンスは、プロ任せにせず自分でできることから少しずつ始めることで、トラブル予防と安全性向上につながります。
初心者でもできる日常点検を習慣化すれば、いざというときの安心感が大きく変わってきます。
「知っておく・やってみる」が、愛車を長く大切に使うコツ。
今日から月1回のセルフ点検、始めてみませんか?
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